開発経緯/ユーザーの声
開発経緯
完成品メーカーの成形部門および金型部門に携わるベテランが長年にわたり様々なパラメータを調査研究した成果をもとに、分析、数式化、シミュレーションなどを行い1995年にM-COSTのもととなるプログラムを完成させました。技術シュミレーションを行うCAEプログラムと同様の考え方で作られています。その社内使用実績をもとに、機能および操作性の向上、カスタマイズのフレキシビリティー向上、見積精度向上などの目的で全面的に作り直し、名称も Mold Costing という意味で M-COSTと名づけて2000年12月に一般に発売を開始しました。その後、それまで未経験だった多様な製品にも対応できるよう計算式を改善したり、成形品の海外生産見積を可能にするなど様々なユーザーニーズにも応えてまいりました。
前身のプログラム開発の主目的は、それまでコスト管理者が時間を要していた購入価格見積を合理化したかったこと、また製品設計過程で設計者自身がコスト検証できるようにしたかったことなどでありました。しかしそんな当初の目的とは関わりなく、現在では完成品メーカー様のみならず成形品メーカー様、部品メーカー様にもご活用いただいております。

ユーザーの声
@ 輸送機器メーカー 原価企画担当者 (利用暦 5年)
過去に類似品がなくて金型価格が皆目分からない製品が出てきたときには本当に助かる。
まさに困ったときのM-COST ですよ。
金型コストへの影響ファクターが自然に理解できるようになり、メーカーとのコミュニケーションが改善された。 ときには見積結果よりも相当高いことがあるが「これこれ然々で」と技術的に納得できる説明があれば考慮する。M-COST見積時にそれを考慮していなかったということだから。
設計者へのアドバイスがし易くなった。「スライド構造が厄介でコストアップ、こう改善出来ないか」などと。
技術傾向がわかる。例)自由曲面が入り乱れた複雑な曲面を持つ大物製品でも最近では「次元性難易度」は3止まり、3Dデータ活用が標準になったためだろう。
図面のない段階で見積もっている。したがって『複雑性難易度』評価は直感。若干悩むこともあるがこれでも十分見積もれている。
成形品見積にも利用している。二色成形はダイレクトには見積もれないがM-COSTのサイクルタイム内訳を利用して電卓で見積もっている。
M-COSTの考え方とか本質を本当に良くご理解下さっております。制作者として嬉しく思います。
A 精密機器メーカー 原価企画および金型製造部門で活用 (利用暦 2年余)
M-COSTは今や神様なんですよ!
突然神様などと言われたので一瞬返す言葉を失ってしまいました。M-COSTで見積もった金型価格は今や調達時の絶対的基準として使われているという意味です。大変複雑な形状が多く、物によっては許容公差±0.03mmといった100分台精度箇所が100ヶ所以上もあったり、いったいどうやって作るの?と悩んでしまう特殊なアンダーカット処理構造が必要であったり・・・。こういった金型に長年取り組んでこられた金型メーカーさんのみが作れるであろう光学機器関連の超精密金型です。相見積をとると2倍も3倍も違う値段が出ることもあります。特有の特殊構造および過去の経験から特に精度出しが困難な構造を定義名前付けし、それに対応させてM-COSTの『精度加算値』の項にプラスするポイント値を定義しました。これはお客様の発案です。70点近いサンプルをもとに数回作業を繰り返し、過去の実績価格に統計学的に合うよう各ポイント値の合わせ込みを行いました。見積作業はすべてお客様、統計分析は当方が担当。今やM-COSTはこの企業独自のコストツールとして一人歩きしています。図面を渡されても制作者である私にも見積もれない製品が沢山あるに違いありません。これもまた私としては嬉しいことです。
(念のために申し上げておきますが、非常に特殊な製品に対応するためにこの様な作業が必要だったということで、一般にはこの様な作業は不要です。M-COSTはそのままお使い頂けます)
金型コストを決めるファクターには成形品サイズ関連、取数、複雑性 etc 20近いファクターがあるにも拘わらず、ユーザーが個別に定義できる『精度加算値』のみで特殊性に対応できたことは、M-COSTを制作した私としても驚くべきことでした。他のファクターのコストへの影響度およびコスト計算式の構成がリーズナブルであることの証明でもあると一人悦に入った次第です。この辺は制作者の私にしか理解できないことでありますが・・・。
B 成形メーカー 技術部門(金型の見積回答担当)で活用 (利用暦 1.5年)
物によってはさっぱり見積の勘が働かなかったり、自信が持てないことがある。そんなときM-COSTは大いに助かる。
M-COSTで見積もることによってその製品の特徴が整理され考え易い。サイズ××の比較的単純な品物であるが、シボ加工あり、大きいスライドコアが必要、リブ加工も少し厄介だ等と。
M-COSTはコストツール、どう利用するか、出た結果をどう扱うかは我々次第、そんな気持で使えば良いのですね。
おっしゃる通りです。これでもか、これでもかと様々な検証を経てプログラムを制作しているもののどう活かすかは利用者の皆様次第です。値付けは機械が行うものではなく最終的には人が行うものですから。